東京から約1000km。九州の鹿児島県に属し、大隅諸島で屋久島に次いで2番目に大きい島、種子島。
JAXAの種子島宇宙センターがあることでも有名ですが、島のほぼ全域が農業・水産業に適しており、食料自給率(カロリーベース)は100%を超えているそうです。
そんな農業が盛んな島で作られている、驚きの甘さとねっとりとした食感が特徴の「安納芋」。
私たちカントリーマアム女子部は、以前から注目していた「安納芋」を実際に見て触れて食べてみよう!ということで、種子島へ行くことに。
ちょうど収穫が始まる9月、鹿児島本港南埠頭から高速船トッピーに乗り、いざ種子島へ。
早速、今回お世話になる安納芋農家の花木さんの畑へ行くと、朝早い時間から収穫が始まっていました。
「花木さん、おはようございます。たくさん採れていますね」
「おはようございます。今年も良い出来の安納芋ができました」
安納芋はひと株から大小10個程度採れるそうで、この日も鈴生りの安納芋がたくさん掘り起こされていました。
畑についてからずっと気になっていたことがありました。
「花木さん、畑を囲うようにして立つ木々は防風林ですか?」
「はい。ここは台風の通り道なので、もろに潮風の影響を受けちゃうと芋がダメになってしまうんですよ」
花木さんの所有する35面もの畑すべてに防風林が植えてあるといいます。
「防風林があっても、多少の潮は飛んでくるんじゃないのですか」
「そうなんです。だからここの畑は、他所よりもミネラルが豊富なんですよ」
ミネラル分を豊富に含み、水はけのよい赤土は、安納芋との相性がとても良いため、自然と種子島では安納芋の栽培が広まったそうです。
また、今回は時期が違い、拝見することができなかったのですが、安納芋栽培で一番大変なのは、苗選びだとおっしゃっていました。
安納芋は一年一作。後からの植え替えもできないため、なるべく丈夫な苗を選んで植え付けしなければいけないそうで、根が張るまでは、マメに雑草を取り除き、水はけを良くしたり、晴天続きのときは水を撒いたり、とにかく一日一日目が離せないそうです。
35面もの畑の管理、すごく大変そうですね。
収穫後、事務所に戻ると大量の安納芋が仕分け・保管されていました。
「収穫後、すぐに出荷しないのですか?」
「安納芋は1ヶ月くらい寝かせることで、甘くなるんですよ」
なんと!収穫したばかりの安納芋は、それほど甘くないのだそうです。
糖度でいうと10度以下。
それを涼しく、暗い倉庫で1ヶ月間寝かせることでデンプン質が糖質に変わり、16度くらいまで糖度が上がるとのこと。
こうして寝かされた安納芋は、蒸されることで、糖度が40度以上にまで劇的に上がるそうです。
驚きの甘さの秘訣は、この「寝かせ」にあったのですね。
参考までに、完熟マンゴーが糖度20度といいますから、果物よりも甘い野菜ということになりますね。(低糖度ジャムの糖度40〜55度未満)
ちなみに、種子島以外の場所でも安納芋は栽培されていますが「安納芋ブランド」の認定を受けるためには、蒸した時の糖度が40度以上必要で、他の地域では40度まで上がらないものもあるそうです。
やはり、種子島の安納芋は特別美味しいということですね。
「一番おいしい安納芋の食べ方は?」
「そりゃ、もちろん焼き芋です」
安納芋の焼き芋は、驚くほどの甘さとねっとりとした食感が特徴でまるでスイートポテトを食べている感覚でした。
他にも、ポテトサラダや、炊き込みご飯もご馳走に。
少し強めの塩分が安納芋の甘さを引き立て、それでいて後味はサッパリ。
私たちの箸は止まりませんでした。
(花木さん、ごちそうさまでした!)
他にも、カレーやシチュー、フライドポテトと、じゃがいもを入れる料理との相性は抜群とのこと。
こうしたアドバイスは、商品開発の上でも、非常に参考になりました。