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世界のお菓子 SWEETS OF THE WORLD

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イラン・イスラム共和国春の訪れを告げる花型クッキー
「ナネ・ノホチ」

イラン・イスラム共和国

梅の花を思わせる可愛らしい形のクッキー「ナネ・ノホチ」。

日本では春分の日に当たる「ノールーズ(イランのお正月)」に食べられているお菓子の1つで、小花のような形がノールーズの時期に咲き乱れるたくさんの種類の花々を彷彿とさせるため、ハレの日に食べる縁起の良いお菓子として親しまれています。

発祥は首都テヘランから北西に150kmほど離れたアルボルズ山脈南麓の標高約1,800mにある冷涼乾燥地、カズヴィーン。約9,000年前から農業が行われていたと言われているほど、長い歴史を持つ町です。

ナネ・ノホチの材料はひよこ豆の粉、カルダモン、ローズウォーターなど。

最近、日本でも小麦粉の代わりに大豆粉、米粉などを代用するグルテンフリーのスイーツをよく見かけるようになりましたが、ナネ・ノホチはひよこ豆の粉を使います。

ひよこ豆は、その名の通りひよこのような形をした豆です。西アジア原産ですがイランの北西部でも多く生産されており、イラン料理によく使われています。鶏肉や豚肉に匹敵するほどのタンパク質、イソフラボン、ミネラルやビタミン類が豊富に含まれているうえに、大豆よりも脂質やカロリーが低い健康的な食材です。

これらの材料を混ぜ合わせた生地を冷やして型で抜き、オーブンで焼き上げたら、最後にトッピングを施します。

イランでも料理の味や香りを大切にしますが、それ以上に見た目を重視している印象があり、ちょっとしたケーキやスイーツであっても乾燥バラやシナモンを散らすなど華やかに飾り付けられています。

ナネ・ノホチにはピスタチオがトッピングされていて、これが素朴なクッキーの絶妙なアクセントとなります。

そんなナネ・ノホチは、一般的なクッキーと比べると甘さ控えめでヘルシーな味わいです。柔らかくしっとりとした食感で、口の中でゆっくりと溶けていきます。ちょっと口の中の水分が奪われやすいのですが、イラン定番の「チャイ(紅茶)」との相性はぴったりでした。

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