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世界のお菓子 SWEETS OF THE WORLD

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イラン・イスラム共和国国王を胃もたれから救った焼き菓子
「ソーハン」

イラン・イスラム共和国

ツヤのある煎餅のような、クッキーのようなこのスイーツは、イランでよく食べられている「ソーハン」という焼き菓子です。

発祥は、首都のテヘランから南におよそ120kmの位置にある「コム」という都市。宗教都市として知られており、街にあるイマーム・ホメイニ国際神学校には、イスラム法を学ぶために世界中から学生達が訪れています。

ソーハンは150~200年ほど前に生まれたお菓子ですが、元々は「ハルヴァ・コミ」という名称で呼ばれていました。

シャー・カージャール(カージャール王)がコムを訪れた際にハルヴァ・コミを食べたところ「食べ物の消化に良く効いた」と喜び、このお菓子をペルシャ語でヤスリを意味する「ソーハン」と名付けたそうです。この時からソーハンという呼び名が定着したと言われています。

ソーハンの材料は小麦麦芽、小麦粉、卵黄、ローズウォーター、バター、サフラン、カルダモン、ピスタチオなど。

形は何種類かあるようですが、よく見かけたのは、平たい円形のお好み焼きのようなソーハンです。鉄板に丸く広げた生地を重量のある鉄棒で叩きながらピスタチオなどの具材を練り込んで焼き上げます。具材を叩き入れるのは力仕事なので、主に男性が作業を担います。

もう1つは写真にあるような、薄く伸ばした生地に具材を置いて優しく包んだタイプ。潰れないように丁寧に1口サイズに切り分けられています。

こちらはパリッ!カリカリ!と歯応えのある、クッキーのような食感でした。口いっぱいに広がるカルダモンとピスタチオの独特な香りは、日本の「八ツ橋」を思わせます。見た目より甘さ控え目の上品な味わいで、ついつい手が伸びてしまいました。

種類はハチミツ、ゴマ、アーモンド、バター味……と、バラエティに富んでいます。お店でもクッキー缶のような入れ物で売られているので、お土産にもピッタリです。

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