- 材料は比較的シンプル
- お米を弱火でゆっくりと煮詰めていきます
- 陶器に移してオーブンで焼きます
- おいしそうな焼き目!
- 左はオーブンで焼いたもの、右はそのまま冷やしたもの
- 子ども達にも大人気でした
「ストラッチ」
トルコのお米デザートトルコはパンの消費量世界一の国ですが、実は「ピラウ(ピラフ)」のようなお米料理もたくさんあり、お米は身近な食材の1つとなっています。
フランスのお米のババロア「リ・ア・ランペラトリス」、デンマークのライスプディング「リゼラモン」、ベトナムの黒餅米ヨーグルト「スアチュア・ネップカム」、そして日本の「せんべい」……と、世界にはお米を使ったスイーツやお菓子がたくさんありますが、トルコにも「ストラッチ」と呼ばれるライスプディングがあり、家庭でよく作られています。
トルコ中央東部に位置するトゥンジェリ県に滞在したとき、ストラッチ作りを体験させていただきました。
ストラッチの材料はお米、水、牛乳、砂糖、バニラパウダー、スターチ、シナモンです。お米は「オスマンジック」と呼ばれる小粒タイプのものが使われます。
まず、鍋でお米を沸騰寸前の状態で水がなくなるまでゆでます。水が蒸発したところに牛乳とバニラパウダーを加えて15分間煮込み、砂糖を加えてさらにしばらく火にかけていきます。これを冷蔵庫で冷やして、シナモンパウダーをトッピングしたらできあがりです。
このプレーンなストラッチに、オーブンで焼き目をつけるタイプもあります。ストラッチを耐熱容器に移し、180度のオーブンで30分程度焼いて、表面にこんがりとした焼き目がついたら完成。こちらも冷蔵庫で冷やしてから食べます。
耐熱容器には、土製のものが使われます。特に中央部カッパドキア地方のアヴァノスという場所で作られる陶器は有名で、この器で食べると格段においしくなるそう! 白いストラッチと茶色い容器のコントラストも素敵でした。
そのまま冷やしたプレーンなものとオーブンで焼いたものを食べ比べてみましたが、個人的にはプレーンの方がお米の食感がほのかに残っていて好みでした。
これまで世界中でさまざまな種類のライスプディングを食べてきましたが、その多くが濃厚で甘味が強かったように感じます。一方トルコのストラッチは、お米1粒1粒の存在が感じられて粘り気も少なく、甘さ控えめで優しい味がしました。
そんなストラッチのお供にピッタリなのが、トルココーヒー。これはコーヒーの粉から煮出したもので、世界無形文化遺産にも指定されています。私もストラッチのミルキーさとトルココーヒーの苦味の絶妙なバランスを堪能させていただきました。