- りんごと洋梨にシナモンパウダーをまぶします
- 混ぜた生地を注いで、オーブンで焼き上げます
- 焼き上がったら、チョコレートをかけて
- ウォールナッツをトッピング
- 粉砂糖をかけて完成!!
- りんごのしっとり食感とナッツが良いバランス
「りんごのピリーフ」
ウクライナの母の味黒海の北に位置するウクライナ。日本のおよそ1.6倍の国土面積のうち、約70%が農地という農業大国です。肥料要らずと評される黒土「チェルノーゼム」が広がっており、「欧州の穀倉地帯」とも呼ばれています。
特にひまわりと小麦の生産量は世界トップクラスです。黄色の大地と青い空。ウクライナの国旗の色は、そのままこの国の原風景です。
ウクライナには、豊かな大地で採れるさまざまな野菜やフルーツを使った、家庭で親しまれている定番デザートがたくさんあります。りんごを使った「ピリーフ」も、その1つ。ピリーフとは、小麦粉を練った生地で肉や野菜、フルーツなどの具材を包んでオーブンで焼いたり油で揚げたりした、パイのような料理のことです。
具材のりんごはウクライナではとても身近なフルーツで、外出する際に持ち歩いて、小腹が空いたときに食べたりします。ウクライナのりんごは日本のものとは違い、立派な品名が付けられているものはほとんどありません。手の中に収まるほど小ぶりで、庭になっているような存在です。コロンと丸くてかわいらしく、ほど良い酸味があります。
今回使ったりんごは、「ダーチャ」で育てたりんごの木から摘み取ったものでした。ダーチャはセカンドハウスのことで、多くのウクライナ人が所持しています。元々は第二次世界大戦中の食糧難を回避するために政府が国民に与えた土地で、今でもダーチャの菜園では野菜や果物が育てられており、日々の食糧の助けとなっています。
ピリーフの作り方は簡単です。スライスにしたりんごと洋梨を耐熱容器に並べ、シナモンパウダーをまぶします。そこに小麦粉、砂糖、卵、ベーキングパウダーを混ぜた生地を流し込み、オーブンで焼きます。焼き上がったら、チョコレートと砕いたウォールナッツ(くるみ)、粉砂糖をかけて完成です。
現地では、午後のおやつや食後のデザートとして振る舞われました。りんごと洋梨の酸味がほどよい甘さの生地とマッチしていて、アップルパイのような感じです。ただ、家庭ごとにレシピが違うので、味もさまざまみたいです。
小麦粉とりんご、ウクライナを代表する材料で作る母の味。とても素敵なデザートでした。