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スーパーでも手軽に購入できます
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パステルピンクのアイシングが可愛い
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フォークを入れるとボロボロと崩れてしまいます
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「キングスデー」に登場するオレンジ色のトンプース
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オレンジ色はオランダのナショナルカラーです
「トンプース」
食べ方に人柄が出るスイーツ
オランダのカフェのショーケースには、日本ではお目にかかれないような個性的なケーキがずらりと並んでいるので、ついつい目移りしてしまいます。オレオケーキにキャロットケーキ、チェリーのコンポートがたっぷり乗ったモンチュータルト……。その中でも群を抜いた存在感を放つケーキが、今回ご紹介する「トンプース」です。
トンプースは日本でいうショートケーキのような定番ケーキのひとつで、オランダではどこのカフェにも置いてあります。手ごろな価格で購入できるので、手土産にも最適なスイーツです。
分厚いカスタードクリームがサクサクしたパフペストリー(パイ生地)でサンドされ、トップはパステルピンクの砂糖でアイシング(コーティング)してあります。
一見シンプルなミルフィーユといった感じですが、いざ食べようとすると一筋縄ではいきません。厚めのパフペストリーが崩れやすいため、フォークを入れるとすぐボロボロになってしまうのです。食べ方に正解はなく、ピンクのアイシングをめくって食べる人、丸ごと口にほおばる人、一口サイズに切って食べる人、90度に寝かせてナイフとフォークで食べる人……と、さまざま。そのため、人柄が出るスイーツとも言われています。
ピンクのアイシング部分はとても甘いのですが、パフペストリーに挟まれたカスタードクリームは甘さ控えめ。脂肪分高めでありながら、口当たりは比較的あっさりしています。クリーミー感とサクサク感の組み合わせもおいしく、食べづらくとも人気があるのはこのバランスの良さにあるのかもしれません。
毎年4月27日はオランダ最大の祝日、ウィレム=アレクサンダー国王の誕生を祝う「キングスデー(Koningsdag/国王誕生日)」で、国民はナショナルカラーのオレンジ色のアイテムを身に着けてお祝いします。街中がオレンジ色に染まるこの日、トンプースのアイシングもまたオレンジ色に染まります! 聞くところによると、W杯の時期にもオレンジ色のトンプースが販売されていたそう。もし、この特別なトンプースに出会えたら……あなたならどんな風に食べますか?
(2025年7月掲載)