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街で見かけたアップルタルトの看板
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どこでも手軽に買うことができるデザートです
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スーパーにはアップルタルトのキットが!
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りんごそのものの甘さが引き立つ、優しい味わい
「アップルタルト」
国民的スイーツ
「アップルタルト」は、通称「ダッチアップルパイ」とも呼ばれるオランダの伝統的なスイーツです。アップルパイは最古のレシピが残っていると言われているイギリスからヨーロッパ、アメリカ……と広がり、今では世界中で親しまれていますね。オランダのアップルタルトもイギリスとともに長い歴史があり、1514年の料理本にもそのレシピが掲載されているそうです。当時は上流階級の間で食べられていたスイーツで、コーヒーとセットで食べる習慣はこの時代に生み出されたようです。
オランダのアップルタルトはケーキ型で焼くので、パイ皿で焼くアップルパイより高さがあり、フワッとしているのが特徴です。各家庭に受け継がれたレシピがあるほど庶民的なスイーツのひとつで、レストランやカフェにも必ず定番メニューとして並んでいます。また、アップルタルト専門店があり、そのチャンピオンの店などもあるそうです。
私が初めてアップルタルトに出会ったのは、仕事の打ち合わせのコーヒー休憩でした。ふるまわれた温かいアップルタルトは、タルトがサクサクで、ぎっしり詰まったりんごがとろけるように柔らかく、シナモンの香りが引き立っていました。私が食べたものはアクセントとしてレーズンが入っていたのですが、人によってはクルミなどのナッツを入れたり、アマレット(主にアンズの種の中にある白い核から作られる、アーモンドのような香りのリキュール)を入れたりとバリエーションが豊富なようです。また、付け合わせに生クリームやアイスクリームを添えて食べることも多いそう。「ケーキ」と呼ぶと大袈裟な感じがしてしまうような、果物感覚で手軽においしく食べられるスイーツだと感じました。
スーパーにはアップルタルトを作るキットも売られているので、りんごさえあれば誰でも作ることができます。コーヒータイムを大事にするオランダ人にとって、手軽でおいしいアップルタルトは欠かせないスイーツなのでしょう。
(2025年9月掲載)