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搾乳から乾燥まで、およそ1週間
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遊牧民の女性が手作りしていました
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草原の風でしっかり乾燥させます
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モンゴル遊牧民の大切な保存食
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味も形も種類が豊富!
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虫の形の「ホルホイ・アーロール」
遊牧民のサプリメントのようなお菓子
「アーロール」
かつてチンギス・ハーンが築いたモンゴル帝国として、世界史に大きな足跡を残した国、モンゴル。中央アジアに接する東アジアの内陸国で、国土は日本の約4倍。都市部を離れると、今もなお伝統的な遊牧生活が営まれています。ゲルと呼ばれる円形の移動式住居で暮らす人々は、祖先から自然の中で暮らす知恵を受け継ぎ、長期間保存が効く運びやすい食べ物を生み出してきました。「アーロール」もそのひとつです。
アーロールは干した乳製品です。まず発酵させた牛、羊、ヤギなどの乳を加熱し、ホエー(乳清)と固形分に分離させます。固形分を脱脂布に入れて1日吊して水分をしっかり抜いた後、食べやすい大きさに切り分けて天日で乾燥させます。強い日差しのもと、アーロールが草原の風に揺られながら乾いていく光景は、モンゴルの夏を象徴する風景のひとつです。ちなみに残ったホエーはさらに煮詰めて、酸味の強い粘り気のあるヨーグルトとして食べられています。
アーロールはいくつもの種類があるのですが、特に知られているのが「ホルホイ・アーロール」。「ホルホイ」は「虫」という意味で、その名の通り長細い形が虫のようです。一口サイズでほんのり甘く味付けされているので、こちらの方が親しみやすいかもしれません。
アーロールは保存食であると同時に、日々のおやつでもあります。モンゴルでは「スーテーツァイ」と呼ばれる塩ミルクティーを1日に何度も口にするのですが、アーロールがお茶菓子のようにそっと添えられています。アーロールは硬いので、このお茶に浸してやわらかくして食べることもあります。
初めてアーロールを口にしたときは、あまりの硬さと酸味に思わず顔をしかめてしまいました。けれどもしばらくすると、口の中でゆっくりと乳の甘みが広がっていき、気がつくともうひとつ、と手が伸びていました。
アーロールは常温で数ヶ月から、時には年単位で保存できます。高タンパクでカルシウムも豊富。栄養がぎゅっと濃縮されたサプリメントのようなこの小さなかたまりは、自然の中で生きてきた人々の知の結晶です。草原の暮らしがそのまま形になったような、とても印象深いお菓子でした。
(2026年7月掲載)